広島豪雨土砂災害対策推進室
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広島西部山系砂防事務所

 8月20日の気象の概要

 
 日本海に停滞する前線に向かい、南から暖かく湿った空気が流れ込み、広島県では大気の状態が非常に不安定となった。19 日夜から20 日明け方にかけて、広島市を中心に猛烈な雨となった。
 広島市安佐南区と安佐北区を襲ったこの豪雨は、暖かく湿った空気が流入し続け、同じ場所で積乱雲が繰り返し発生する『バックビルティング現象』が原因の一つと考えられています。広島市安佐北区三入おいて最大1時間降水量が101.0 ミリ、最大3時間降水量が217.5 ミリ、最大24 時間降水量が257.0 ミリとなり、いずれも観測史上第1位の値を更新した。特に最大3時間降水量は過去最大であった平成9 年8 月5日の101 ミリに対し、2倍を超える値を記録しました。 
 日本海に停滞する前線に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み大気の状態が不安定になった
 
 雨量レーダー画像(国土交通省Cバンドレーダ雨量)
 
 積算雨量分布図(国土交通省Xバンドレーダ雨量)
 
 広島市安佐南区から安佐北区にかけて、局所的かつ短時間(3 時間)に300 ミリ近い雨量となった。
 被災箇所を跨るように積算雨量が大きいエリアが確認できる一方、周辺ではほとんど降水がありませんでした。










国土交通省X バンドレーダ雨量(XRAIN)の3 時間積算雨量→
 2014 年8 月20 日 01 時~04 時  
 雨量観測値(三入観測所(気象庁アメダス))と時系列
 
   
 バックビルディング現象 
  次々と発生した積乱雲が一列に並び、集中的に雨が降ることを「バックビルディング現象」と呼んでいます。
 一般的に積乱雲は、雨を降らせて1時間ほどで消滅すると言われています。今回は、太平洋上にある高気圧のへりに沿って、南から暖かく湿った空気が豊後水道や瀬戸内海を通って広島市付近に大量に流れ込み、さらに安佐北区、安佐南区の山地にぶつかって上昇し、同じ場所で新しい積乱雲が発生することが繰り返され、大雨が狭い範囲に集中して、継続的に降ったと考えられています。
 気温が高い西日本ほど多く、山地の南東斜面で起こりやすい傾向があるようですが、全国どこででも発生しうると考えられます。
 バックビルディング現象による大雨の発生が増えているか現段階で不明ですが、1時間あたりの雨量が50ミリ以上の大雨の発生回数は、明らかな増加傾向が見られることから注意が必要な気象現象です。