千代川流域圏会議通信

千代川流域圏会議通信
[2000年10月号 vol.30]

秋の千代川を歩く

千代川流域圏会議会員 元鳥取大学教授 藤島弘純
ヒガンバナ
(撮影:円通寺堤防、9月22日)
 千代川の土手には、ヒガンバナの赤い花と共に秋がやって来ます。9月20日頃が見ごろです。 カワラナデシコも、秋の到来を感じさせる花の一つです。川の土手や川原に多く見られた草花ですが、最近は数が少なくなりました。ナデシコは秋の七草に数えられます。野菊もわたしたちの目を楽しませてくれます。 8月に咲き始める野菊はヨメナ。9月に入ると花びらがやや大きいオオユウガギクが、そして、上流部ではノジギクが咲きます。
オオユウガギク
(撮影:千代大橋下)
 お盆を過ぎるころ、川面や土手のあちこちで赤とんぼが群れて飛ぶのが目につきます。俗称盆トンボ、ウスバキトンボです。冬には死滅して子孫が絶えますが、翌年また、南の国から日本へとやって来ます。何万年も続いたであろう日本の冬への挑戦です。彼らのあの小さなからだのどこに、こんなエネルギーが潜んでいるのでしょう。
 秋が深まると、川原のあちこちに小さな赤トンボが羽を休めています。夏を山で過ごしたアキアカネが里へ帰ってきたのです。
 流れの岩場や水辺の草にとまっている真っ赤な赤トンボはショウジョウトンボです。
アキアカネ・おす
(撮影:八坂川原)
 秋雨の降る川原の草っ原を大きなモクズガニが1匹、ゆっくりと歩いているのを見たことがあります。産卵のため川を下っていたのでしょう。
 千代川のカニで生涯を淡水のみで過ごすのはサワガニのみです。秋の川原はムシたちの共演の場となります。キリギリスは昼の主役、ウマオイやコオロギは夜の主役です。河口周辺の砂丘ではハマスズが、砂に生きる命を主張しています。
 秋から冬の河口は水鳥たちでにぎわいます。闇の夜空に響くゴイサギの悲しげな声は、長い山陰の冬を予感させます。最近の川床整備で和奈見の川岸竹林がなくなったのは返す返すも残念ですが、千代川の川床 には樹木がたくさんあります。これらは川の景観を落ち着きのあるものにするとともに、川の生物相を豊かにしてくれます。タチヤナギの梢に半月を見るのもまた楽しいものです。
会員紹介
豊かな森林を求めて

(社)鳥取県緑化推進委員会 理事長 廣江 弌

緑の少年団による街頭募金
 水や緑は、「文化のバロメーター」ともいわれ、古くから"水有る所緑あり"そこに私達 の生活基盤を築き、大切に守ってきました。
 当委員会は、この緑の大切さ、豊かさを求めて、長年にわたって"緑の羽根"をシンボルとした募金運動を始めとする緑化の推進、整備活動に取り組んでいす。
 今日では、森林の生みだす清流や、人々に安らぎや、うるおいを与えてくれる森林の恵みをかけがえのないものとして多くの人々に理解され、募金活動も職場や企業、家庭へと広がり着実な成果を上げてきています。
 更に、緑の少年団の県内外での活躍、県内各地でのボランティア団体等による緑化活動など徐々に緑化運動も広がりをみせ大きな力となっているところです。
 今年は、例年になく雨が少なく、渇水のニュースをよく耳にしますが、緑のダムにおおわれた千代川上流は、雨をたくわえ、清流をはぐくみ、下流の鳥取平野へ大きな恵みを与えています。
 この恵みは、先人の努力によって長い年月をかけて造り上げられてきた森林に由来するものです。
 私達は、この貴重な資源を享受するだけでなく、みんなの力で守り育て、より豊かなものとして、次代に引き継いでいかねばなりません。21世紀に向けて、緑化意識の高揚、次代を担う少年団、ボランティア団体の育成等これまでの成果を更に高め、豊かな地域社会をめざして、努力したいと思っております。皆様の一層の御支援、ご協力を賜りますようお願いします。
アンケート結果
〜千代川フェスティバル「”きき水”コーナー」アンケート結果〜
鳥取市水道局
 8月19日に行われた千代川フェスティバルにおいて現在の水道水、急速ろ過水、ミネラル水の3種類の水を、どの水かわからないようにしてきき水を行いました。参加者からは「どの水もおいしかった」という声が多く聞かれました。アンケートの結果は右のとおりです。
 右のアンケート結果を見ると、水道水とミネラル水・急速ろ過水は同じぐらい、おいしいということがわかります。千代川の水は清浄ですので浄水処理してもおいしい水を作ることができるからでしょう。
 水道局では千代川の清流を守るため、今後とも千代川流域圏会議に積極的に参加し行動していきます。
事務局だより
 9月11〜12日に東海地方で局地的な豪雨があり、災害が発生しました。10月も台風シーズンです。皆様も気象情報には十分注意し、洪水や土砂災害にお気をつけ下さい。

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