千代川流域圏会議通信
千代川ニュース
千代川流域圏会議通信
[2005年6月号 vol.84]
清流くん
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千代川のアユのこと
 さる6月1日に、千代川でのアユ漁が解禁になりました。千代川のアユについて、千代川漁業共同組合の石谷定組合長に、お話をうかがってきました。

近年の千代川のアユは減っているんですか?
 そうですね。アユだけでなく、魚の数や種類は、私が子供の頃に比べても減ってきています。特にアユについては、適した産卵場所が少なくなったこともあると思いますよ。昨年の大雨でも産卵場所にあたる護岸が被害を受けましたし、残念でした。

そうなんですか・・。
千代川にアユが戻ってくるために、どんな取り組みをされているんですか?

 5月6日に、倉田小学校の皆さんと一緒に、円通寺の千代川に稚アユを放流しました。そのときには、高知県産の稚アユ300キロを放流しました。全国にいろいろなアユがいるんですが、千代川の環境に合ったアユがどんなアユなのかは、いろいろと検討をしていこうと思います。
 その他に、アユが産卵するのに適した場所をしっかり整備すること、そしてもう一つ、禁猟時期の監視をしっかりとして、密漁を防ぐという3つの取り組みを行っていきます。専門家の方々にお話をうかがったり、調査を行ったりしながら、昔のようにアユがたくさん住む千代川にしていきたいと思っています。
今日はどうもありがとうございました。

もっと知りたい!水のこと! 川が育てた日本の食文化
 日本の食文化の特徴は、七福神のえびす様と大黒様に見ることができます。えびす様はタイを釣り上げてニコニコして、大黒様は米俵の上で小づちを持って大きな袋をかついでいます。新鮮な魚介類の恵みと日本人の主食である米・・・えびす様と大黒様は、日本の伝統的な食文化が魚と米を中心にしていることを示しているのです。
 わが国では、たくさんの河川に恵まれているからこそ、川によって森林や岩石から溶けだしたミネラル分が海まで運ばれ、プランクトンが発生し、それをエサとする小魚が集まり、その小魚を追って他の大型魚が集まるという食物連鎖が生まれ、漁場が形づくられるのです。また、川の豊かな水は、稲作に適した土壌と農業用水を提供し、水田を発展させていったのです。
 このように、川は、森の栄養素を海へ運び、豊かな海をつくり出し、同時に私たちの主食である米の育つ場を形づくってきたのです。いわば、えびす様と大黒様から見られる日本の食文化は、川にはぐくまれ、川によって支えられたと言ってもよいでしょう。
 森と川と海は、深い関係でつながっています。川を守るということは、森を守り、海を守るということであり、それはまた私たちの食文化を守るということにつながるのです。
(参考「食生活と水」発行 財団法人家庭クラブ)

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