千代川流域圏会議通信
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千代川流域圏会議通信
[2005年11月号 vol.89]
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みんなでつけた 千代川の水質通信簿

簡易水質調査結果凡例
生活環境保全環境基準 AA類型 1mg/l以下相当
生活環境保全環境基準 A類型 2mg/l以下相当
生活環境保全環境基準 B類型 3mg/l以下相当
生活環境保全環境基準 C類型 5mg/l以下相当
生活環境保全環境基準 D類型 8mg/l以下相当
各類型の利用目的の適応性
AA:水道1級、自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの。
A:水道2級、水産1級、水浴及びB以下の欄に掲げるもの。
B:水道3級、水産2級及びC以下の欄に掲げるもの。
C:水産3級、工業用水1級及びD以下の欄に掲げるもの。
D:工業用水2・3級、農業用水及び環境保全。
・自然環境保全:自然探勝等の環境保全
・水道1級:ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
・水道2級:沈殿ろ過等による通常のろ過操作を行うもの
・水道3級:前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの
・水産1級:ヤマメ、イワナ等貧腐水性水域の水産生物並びに水産2級及び3級の水産生物用
・水産2級:サケ科魚類及びアユ等貧腐水性水域の水産生物用及び水産3級の生物用
・水産3級:コイ、フナ等β-中腐水性水域の水産生物用
・工業用水1級:沈殿等による通常の浄水操作を行うもの
・工業用水2級:薬品注入等による高度の浄水操作を行うもの
・工業用水3級:特殊の浄水操作を行うもの
・環境保全:国民の日常生活(沿岸の遊歩道を含む)において不快感を生じない限度

今回のBODの調査結果の概要について
くわしい結果
●今年度の調査では、観測した全78地点のうち、64地点がAA類型(1mg/l以下)相当、8地点がA類型(2mg/l以下)に相当しており、観測地点の約92%がAA〜A類型相当の良好な水質でした。
●これは千代川の代表的な魚であるアユのほか、渓流魚のヤマメなどの生息に適したきれいな水であり、水浴びにも適しています。
●一方、八東川の栃原、吉川川の岩屋堂、佐治川の別府の計3地点でB類型(3mg/l以下)相当、赤波川の下平、安蔵川の清滑、湖山川の六反田の計3地点でC類型(5mg/l以下)相当の高い値が出ています。
●しかし、上記6地点の過去4回調査平均値はいずれもA類型に相当しており、調査時の一時的な値の可能性があります。
●過去4回調査(千代川市瀬、土師川大瀬は3回)のBOD平均値では78地点中76地点でAA〜A類型相当となっていましたが、袋川の中河原及び北股川の三滝の2地点でB類型相当のやや高い値が出ています。4回の平均値が高いことを考慮すれば、これらの地点は有機汚濁が進んだ場所である可能性があります。市街地やダム湖(止水域であるため植物プランクトンの大量発生が生じやすい)の下流は水質の悪化が進行しやすい環境であり注意が必要です。

BODとは
水質を表す指標のひとつで水中の微生物が川の汚れを分解する時に必要な酸素の量で、この数値が大きいほど水が汚れています。
mg/lとは、濃度の単位です。水1リットルにBOD1mg(1/1,000g)が溶けている状態を1mg/lといいます。

総評
 平成17年夏季の簡易水質調査では、観測地点の90%以上で環境基準(BOD)AA〜A類型相当の良好な水質が観測されました。また、過去4回調査の平均値でも、観測78地点中76地点がAA〜A類型相当のBOD値に該当し、千代川流域では全体的に良好な水質が維持されていると言えます。
 今回の簡易水質調査は4回目で、データの蓄積が進んできたため、平均値についてはかなり信頼性が高まっています。しかし、BOD平均値の高い地点については、水質が悪化している可能性もあるため、今後も調査を続けながら、このような地点については特に注意して監視を行っていく必要があります。

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