鳥取県と兵庫県の県境に位置する扇ノ山は、標高1309.9メートル、国府、郡家、八東、若桜の境ともなってます。南北に連なるなだらかな尾根筋と、裾野に広がる広大な高原からなり、遠くから見ると扇の形に似ていることから名付けられました。また、邑美野の中心、源太橋あたりから眺めると、扇は半開きにゆったりとしたスロープで左右に広がっていくことから、「扇」とは因幡鳥取側からの命名ではないかといわれています。新三紀末から新四紀にかけて盛んに噴火を繰り返して山が高くなり、噴出溶岩によってできた標高1000メートル付近の台地状地形は美しい高原となっています。麓には名瀑の雨滝があり、登山口の近くには河合谷牧場、それを過ぎると水とのふれあい広場があります。中国自然歩道と登山ルートとして、スギの植林地に沿って起伏のない平坦な道をしばらく進むと、ブナやコナラなどの雑木林に変わって緩やかな登りとなります。山頂は雑木林に囲まれた円形の広場のようになっていて、南西方向に展望が開けて兵庫県側がよく見下ろせます。袋川はこの扇ノ山に源を発し、国府町から雨滝地区にある県下最大の名瀑、雨滝から西流して鳥取市街地へ流れ出ていきます。
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