建設業の許可は、申請に基づいて、申請者が建設業法第7条で規定する『4つの要件』を備えていること、及び同第8条で規定する『欠格要件』に該当していないことの全てを満たしている場合に行います。
ここでは、『4つの要件』のうちの1つ、「経営業務の管理責任者」についてご説明します。
これは、建設産業が他の産業にみられない特殊性を持っていることから、建設業の経営を適正に行っていただくことを期待するにあたって、「建設業の経営業務についての経験」を少なくとも5年以上お持ちの方を最低1人は配置していただきたい、という趣旨から設定されている要件です。
この「建設業の経営業務についての経験」をお持ちの方を「経営業務の管理責任者」と称しますが、具体的には、法人であれば常勤役員のうちの1人が、個人である場合にはその者又はその支配人のうちの1人が、以下に掲げるイ)からハ)までのいずれかの要件を満たしていることが必要となります。
建設業法では、第7条第1号において、「役員」の対象者として『業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者』と規定していますが、具体的には次に掲げる者が「役員」として取り扱われます。
●株式会社の取締役
●有限会社の取締役
●合名会社の社員
●合資会社の無限責任社員
●民法の規定により設立された社団法人、財団法人又は協同組合、協業組合等の理事
(注)監査役、監事、役員と兼ねていない役付職員、事務局長等は、「役員」には含まれません。
本社、本店等において、休日その他勤務を要しない日を除いて、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者(役員)を言います。
イ) | 許可を受けようとする建設業に関して、「経営業務の管理責任者としての経験」が5年以上ある。 |
ロ) | 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関して、「経営業務の管理責任者としての経験」が7年以上ある。 |
ハ) | 許可を受けようとする建設業に関して、「経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として経営業務を総合的に管理した経験」が5年以上ある。 |
ニ) | 許可を受けようとする建設業に関して、「経営業務の管理責任者に準ずる地位として、経営業務を補佐した経験」が7年以上ある。 |
ここでいう「経営業務の管理責任者としての経験」とは、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理した経験を言います。
具体的には、法人の役員、個人の事業主又は支配人、その他支店長、営業所長等の地位にあって、経営業務を総合的に執行した経験を指します。
(注)「経営業務の管理責任者」になり得るのは、法人の場合は「常勤の役員」、個人の場合は「その者又はその支配人」ですが、「経営業務の管理責任者」になるために必要な経験は、支店長や営業所長としての経験も含められます。ただし、単なる連絡所の長や工事の施工に関する現場事務所の長としての経験は含まれません。
ハ)の「執行役員等として経営業務を総合的に管理した経験」とは、取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門(建設業部門に限る)に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに具体的な業務執行に専念した経験をいいます。
実際にハ)に該当するとして申請される場合は、「執行役員等」に該当するか等の確認をさせていただきますので、事前に中国地方整備局 建政部 計画・建設産業課建設業係までご相談下さい。
ニ)の「準ずる地位として、経営業務を補佐した経験」とは、法人であれば役員に次ぐ職制上の地位、個人であれば当該個人に次ぐ職制上の地位にある者として、経営業務を行った経験を言います。
例えば、法人の建設部長として、建設工事の施工に必要とされる資金調達、技術者等の配置、下請業者との契約締結等の業務を7年間担当した実績が証明されれば、ニ)の要件に該当しているということになります。
実際にニ)に該当するとして申請される場合は、「準ずる地位」に該当する地位であるか等の確認をさせていただきますので、事前に中国地方整備局 建政部 計画・建設産業課建設業係までご相談下さい。
* | これらの経験をお持ちの方でも、申請する時点において非常勤役員であれば、「経営業務の管理責任者」にはなれませんので、ご注意下さい。 |
* | 7年以上の「経営業務の管理責任者」としての経験をお持ちの方(上記ロ該当)は、すべての建設業について「経営業務の管理責任者」になることができます。(一つの建設業での経験か、複数の建設業に渡る経験であるかは問いません。) |
* | 「経営業務の管理責任者」たる要件を備えている方で、「専任技術者」としての基準も満たしている方については、同一の営業所(原則として本社又は本店等)内に限り「専任技術者」を兼ねることができます。 |
経営業務の管理責任者の設置は許可要件の1つですので、許可を取得した後に経営業務の管理責任者が退職された場合などで、後任となる方がいない時は、要件欠如で許可の取消しということになります(建設業法第29条第1項第1号)。ですので、このような場合は、経営業務の管理責任者が退職される前にあらかじめ上記要件を満たす方を選定するなど、事前に準備しておくことが必要です。
なお、イ)〜ニ)のいずれについても、「経営業務の管理責任者としての経験」年数が必要になります。この年数の確認にあたっては、許可の申請を行う際、又は現に許可を有している場合で経営業務の管理責任者を変更する際に『確認資料』として提出していただく商業登記簿謄本〔写〕等にて行います。(『確認資料』→ ■3■ [2] 確認資料について参照。)
a)図解 | (経営業務の管理責任者になり得る者) |
b)告示 | 「建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者を定める件」(S47.3.8) |
c)通達 | 「経営業務管理責任者の大臣認定要件の明確化について」(H19.3.30) |
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