因幡・国府のうつろう流れ 殿ダム・袋川流域風土記

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雨滝四十八滝物語

雨滝四十八滝とは、那智の四十八滝や、いろは四十八文字にたとえたもので、四十八は実際の滝の数ではなく、次に説明する滝もふくめての総称であり、数が多いという事を言葉に表わした呼び名です。 



@雨滝

雨滝は扇ノ山溶岩がつくる河合谷高原の北西縁部であって、溶岩流の末端部にあって幅4m、高さ40mの鳥取県随一の飛瀑を誇っています。安山岩の冷却に伴って規則的な柱状の割目(柱状節理)を生じた岸壁よりなる特異な景観を呈し、トチ、ブナなどの千古の原生林に包まれた滝です。昭和60年鳥取県が選定した「因伯の名水」の指定を受け、また、断崖絶壁を轟音とともに落水する壮観な威容から、平成2年には「日本の滝百選」にも選ばれています。
古来より有数の霊場として善男善女の修行の場、お遍路さんの信仰の場として知られ、今なお神秘的な霊境としての雰囲気を残しています。滝の下には石造りの不動明王が安置されています。


A布引の滝

純白の絹糸を懸け流したような美しさからその名がつきました。山の中腹より湧き出る地下水のため、長期の日照りに豪雨にも水量が変わることはなく、清流が絶えることはありません。雄大で男性的な雨滝(本滝)と女性的な布引の滝は好対照になります。
延宝年間(1673〜1681年)には、専誉上人が神拝設定した因幡西国三十三ヶ所の二十番札所がこの地に置かれていました。「観音の 誓いあらたにましまさば 奈加礼もたえぬ 布引の滝」と御詠歌が詠まれています。なお、一番札所は鳥取市長谷の長谷寺、十八番は谷村峰の観音円城寺、十九番は殿村の観音堂です。


B筥滝

雨滝の前にかかる桂橋を渡り、鉄板の階段を登って、トチ、ケヤキ、ブナなどの原始林の中を800mほど進んだところにある三段の滝です。扇ノ山、河合谷高原を源とした冷水が流れてきます。縦横3m、深さ1mばかりの岩の重箱に清流が溢れ、その水が流れて下の重箱に落ち、また溢れて下の重箱を満しています。こうした数段の重箱が谷の斜面に並んで一つの滝をつくっており、大滝の雄大さとは異なって神秘的な感じがします。 また、滝壺にまつわる哀れな亀の伝説があります。


C樋滝

雨滝をさらに上流に登った奥、親子滝から200m位進んだところにあります。山の岩盤が急な流れに掘られた様子が樋のように見える、三段になった急流で、目を見張るばかりの見事な滝です。高さ30mほどの滝で、岩の隙間から白い飛沫をあげて落下する、勢いのある滝です。


D平滝

樋滝の上にある大きな滝です。


E比丘尼滝

樋滝の手前を右に別れた谷にあり、水量は少ないが、高さのある見事な滝です。小屋尾道(雨滝の右の山の尾根道)を進むと左手に見る事ができます。比丘尼とは何か伝説がありそうな気もする滝です。


FG夫婦滝

雨滝と樋滝の中間にあります。雨滝から中国自然歩道を登っていくと、雨滝と樋滝の中間あたり道の左手に二つ並んだ高さ10mほどの滝があります。これは大正10年、岩田知事が踏査した時に、岩田知事の質問に対して案内役をした地元の岸本富蔵氏と北村幾太郎氏の二人が即座に名付けて答えた滝の名であるといわれています。


HI親子滝

夫婦滝のすぐ上にある、高さ7mほどの大小の滝です。これも夫婦滝と同様、岸本氏と北村氏の二人が即座に名付けて答えた滝の名であると言われています。


J馬淵滝

鳥取市と福部町との境にある摩尼山(240m)に源を発し、西に向かって急流してV字状の谷をつくり、覚寺で北流してきた円護寺川と合流したのち浜坂で袋川に注ぎます。流長は3.8km。


K一番滝L二番滝M菖蒲谷滝

太閤ヶ平(241m)に源を発し、久松山(263.1m)の北側を北西に流れて円護寺地区を通過し、国道9号線付近で西流してきた摩尼川へ合流します。