鉾橋のたもと等ケ坪廃寺の礎石の横に昭和44年6月、歌碑が建立されました。『古今和歌六帖』第四巻に収められている歌で、大伴坂上郎女は大伴家持の父・大伴旅人の妹で家持の叔母にあたり、また、娘を家持に嫁がせているので義母にもあたります。「家持はいま、面影山のほとりでどのように暮らしているのでしょうか。私は毎日なつかしく思い暮らしているけれど、その姿を見ることはできない。気がかりなことです。」と、因幡国の国守に赴任している家持のことを想って詠った歌であるといわれています。歌の道にも格別に知識が深く、『万葉集』の中には長歌6、短歌77、旋頭歌1を載せ、女流歌人の作としては一番多く、家持を助け、『万葉集』編纂の一端を担った功績は大きかったのではないかと思われています。
わがせこが 面影山の さかゐまに
われのみこひて 見ぬはねたしも
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