因幡の北部、蒲生川・小田川流域の地方はもと巨濃郡といわれていましたが、後に岩井郡となりました。岩井郡は初め石井郡といい、元禄14年(1701)に岩井郡と書き改められたと『藩史』にあります。石井谷という村名は、昔この村が石井郡へ抜ける谷の入口にあったからと伝承されています。昔の道筋は分かりませんが、ここから山越えして雨滝に出て十王峠を越すと石井の谷へはそう遠くはないことから、「石井の谷への起点」、それが栃本廃寺等で栄えたこの地方の自然であったのかもしれません。
なお、『鳥取藩史』の中には旧名として「岩井谷」と明記されています。 |