因幡・国府のうつろう流れ 殿ダム・袋川流域風土記

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郷土の誇り文学の灯


岡野貞一

明治11年(1878)鳥取市古市生まれ。吉方町、西町と少年時代を過ごし、近所に住んでいた四歳年長の永井幸次の影響で音楽を志し、東京音楽学校へ入学。卒業したあとも教師として同校に在職し、大正12年(1923)に文部省唱歌の作曲委員に任命されて、今もなお歌い続けられている「故郷」「紅葉」などの名曲を数多く作曲しました。その中でも「故郷」は、生まれ故郷の鳥取の情景を思い起こしながら、作られた曲ではないでしょうか。
鳥取市久松公園、修立小学校校庭、鹿野街道沿いなどに歌碑が建立されています。

●代表作…故郷、春の小川、春が来た、朧月夜、紅葉、桃太郎など

故郷

高野辰之について
明治9年(1876)長野県中野市生まれ。「故郷」の詩は、故郷(長野県の山間の村)の情景を思い描きながら作ったと言われています。一番は故郷の自然を、二番は故郷の人々を、三番は自分と故郷の関わりを詠むという構成です。


田村虎蔵

明治6年(1873)岩美町馬場生まれ。東京音楽学校(現・東京芸術大学音楽学部)卒業し、東京高等師範学校附属小学校に在職している頃より、おとぎ話や神話などを題材とした子ども向け唱歌の名曲を数多く作曲。これらの歌は言文一致唱歌とよばれ、当時の小学校教師や子ども達から歓迎されて、その多くは、現在まで愛唱され続けています。また、子ども向けの歌意外に、芸術性の高い歌曲(「青葉の笛」など)も数多く作曲しています。

●代表曲…大こくさま、きんたろう、はなさかじじい、一寸法師、虫の楽隊など


永井幸次

明治7年(1874)鳥取市西町生まれ。東京音楽学校を卒業後、静岡県師範学校、鳥取県師範学校、旧制・鳥取第一中学校、鳥取高等女学校などの教師を歴任したのち、関西地区の学校で合唱やオルガンの指導を行うからわら、外国の音楽教科書を研究し、また、自ら多数の音楽教科書を編纂しました。大正4年(1916)に私財を投げ打って、関西最初の音楽学校である大阪音楽大学(現・大阪音楽大学)を創立し、亡くなるまでの50年間を学長として在任しました。現在、関西地区の音楽界で指導的な立場にある人の大半は、何らかの形で永井幸次の教えを受けており、関西音楽界の父として、いまなお、多くの人々から敬愛されています。

●代表作…上下の臼(女性合唱曲)、五一じいさん、ささ舟、飛行機、 希望など