因幡・国府のうつろう流れ 殿ダム・袋川流域風土記

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鳥取市のかたりが語るもの


鳥取市の形を眺めていると、国府町のところを頭にした亀の形が見えてきます。日本海岸線を亀の背として、川原町、用瀬町、佐治町のところは少し不自然に足の長い亀が四足を大地に力強く踏ん張っている姿をしています。因幡で亀といえば、武内宿禰が双履を残したところを亀金といい、宇倍神社の家紋は亀をあしらっています。また、池田家藩主の墓石は亀趺と呼ばれる亀の形を象った神獣の台石の上に墓碑が載せられており、古くから亀と縁の深い地域です。
亀


と言えば、『古事記』にある因幡の白兎の物語が有名です。鰐鮫をだまして因幡に渡ろうとした白兎が毛皮を剥がされ、神々にだまされて痛みに苦しんでいたところ、後の大国主神に助けられたという話です。古来より兎と関わりのあるこの因幡で、鳥取市の形を横にして左に日本海を置いてみると、国府町のところを兎の耳にして千代川の河口付近を口とする兎の形にも見えてきます。
古くから自然に親しんできた兎と亀が、ふるさとの“かたち”として浮かび上がり、この地域の歴史や誇りを物語っているように思われます。
兎