『五水記』とは、文禄2年(1593)の高麗水から寛政7年(1795)の乙卯水まで約200年の間に起きた鳥取県内で最も大きかった洪水を5つ選り抜き、記録されたものです。鳥取藩の医師・中本友直子益によって寛政8年(1796)に著され、因溢物語と共に後世への教訓となった貴重な記録資料です。
『因溢物語』とは、五水の一つである寛政7年(1795)8月に起こった乙卯水と呼ばれる大洪水の様子を記したものです。鳥取藩士・鈴木惟忠によって寛政8年(1796)9月に書き上げられ、洪水の惨状、藩庁の処置、市民協力の状況や自身の体験により得た洪水時における心得などが記されています。この物語は著者自身の身辺に立脚して、溢れるような人間愛に貫き通されているのが特徴的です。