因幡・国府のうつろう流れ 殿ダム・袋川流域風土記

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袋川流域の祈り 「神社」 1


[獅子頭が現存する神社]

宇倍神社

宇倍神社は孝徳天皇の御代、大化4年(648)の創建と伝えられています。360歳あまり生きたと伝えられる武内宿禰命を祭神とし、『延喜式』には県下唯一の名神大社と記され、また因幡の国一ノ宮の称号を得る格式高い神社です。明治32年には全国の神社で初めて武内宿彌の像と宇倍神社が五円紙幣に載せられました。その後も五円紙幣や一円紙幣の図柄となったことから、長生きの神様、お金にご縁のある神社として人気の高い神社です。


多居乃上神社

延喜式内社であり、『三代実録』には貞観15年(873)の条に「正五位下を授く」と書かれています。国府平野の中心地に鎮座し、因幡国庁跡から約1kmの距離にあります。近くに今木山や梶山古墳、岡益石堂等のあることが根拠となり、渡来人集団の祀った神とする説が生まれています。しかし一方、『廣西民談記』には、ある洪水時に多胡川渕に小さな祠が止まり、一段高い地に多胡大明神といって祀ったことから多居乃上と社号を奉ったと書かれています。また『稲場民談記』には「この氏子章魚を食わず、もし食えば崇をなす」とあります。なお、春祭には麒麟獅子舞が奉納されます


美歎神社

延喜式内社であり、『三代実録』によると貞観16年(874)に従五位上を授いています。平時範の日記『時範記』には、惣社と宇倍神社に参拝のあと坂本社・三島社・賀露社・服部社とあわせて美歎社を巡拝したことが記されています。古くは屋敷鳴(奥三谷)に祀られていたところ人口増加によって金内に移り、さらに現鎮座地へ移転してきたといわれています。
また、祭神の一人、市杵島姫命は美歎の空が滝に鎮座していた無格社滝神社の水の神ですが、後に美歎神社に合祀されました。


室神社

神垣地区にある下の神社で、安産の守護神や酒の神として崇敬があつく、高倉天皇が承安年中(1171~75)に難産に苦しむ者のために駿河国富士権現を勧請したと伝えられ、それ以来出産のために死亡する者がなくなったとわれています。4月の例祭には麒麟獅子舞が奉納されます。


栃本神社

大石川の右岸の雑木林の中に鎮座する小さな神社です。祭神は菅原道真公で、古くから天満宮と呼ばれ、国府町内では他に山崎神社と今木神社の三社で祭られています。毎年4月25日に近い日曜日に麒麟獅子舞が奉納されます。