因幡・国府のうつろう流れ 殿ダム・袋川流域風土記

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千代川・袋川の水害 【昭和〜平成】


@昭和9年(1934)の洪水

山陰地方では6月28日から雨降りが続き、7月1日になって東北の風が激しくなり夜半から本格的な暴風雨にかわりました。この暴風雨により、千代川流域では各所で堤防が切れたり橋や家が流され、田畑が土砂に埋まるという被害が甚大でした。


A昭和34年(1959)の洪水

昭和34年の洪水 昭和34年の洪水
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9月20日頃、マリアナ海上に発生した弱い熱帯低気圧は急速に発達して、22日の昼頃に台風15号となりました。後に「伊勢湾台風」と名付けられたこの台風によって鳥取地域は25日から雨となり、26日午後から風雨か強まり、最大瞬間風速35メートル、雨量301ミリを記録したところもありました。河川の氾濫、堤防決壊、橋の流失、家屋の浸水などの被害が続出し、特に千代川の上流、袋川の氾濫は、鳥取市をはじめとする東部地区に大きな打撃を与えました。


B昭和36年(1961)の洪水

昭和36年の洪水 昭和36年の洪水
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9月にマーシャル群島付近で発達した台風18号の影響で、14日の夕刻から南東の風が吹き、雨降りとなって16日午後3時前の瞬間最大風速は毎秒44メートルにも達しました。夕方まで降り続いた雨は若桜町で雨量296ミリを記録し、そのため河川は急激に増水して氾濫を始めました。この台風では風害も大きく、市内の送電線・電話線も完全に寸断されました。


C昭和51年(1976)の洪水

9月3日、グァム島南東海上に発生した熱帯低気圧は台風17号となり、8日に降りはじめた雨は9日に鳥取で136ミリを記録しました。被害は鉄道・農作物に甚大で、道路損壊、堤防決壊、山崩れのほか、市内の浸水地域も多く、鳥取市には災害救助法も適用されました。


D昭和54年(1979)の洪水

トラック島付近にあった熱帯低気圧が台風20号となって10月19日に上陸し、北上につれて鳥取地方の雨も強まりましたが、午前9時をピークに弱まり、千代川水系の水位も減りはじめました。治水の施設が整備され、水防活動も活発になったため、堤防の決壊は免れましたが、灌漑の護岸崩壊が各所に発生しました。


E平成における主な水害

平成に入ってからは、平成2年9月の台風19号により家屋浸水135戸、平成10年10月には台風10号の影響により家屋浸水121戸の被害を受けております。特に記憶に新しい平成16年9月の台風21号時には千代川流域内における総雨量は、鳥取1376ミリ、智頭206ミリ、若桜1916ミリ、綾木2546ミリに達し、鳥取県下における被害は、死者1名、負傷者7名、家屋の被害は一部破損2戸、浸水126戸、非住家被害1戸、田畑の被害14,5haに及び、千代川流域での家屋被害は99戸に及びました。道路被害は97ヶ所、河川被害は216ヶ所あり、旧用瀬町と智頭町の境界に位置する市瀬地区においては沿川の採石場の土砂が崩落し、千代川を塞き止める事態も発生しました。