河川(佐波川)に関する用語集 【か行】  平成26年5月作成

外来種(がいらいしゅ)
 外来種とは、もともと日本にいなかった生物が、人間の活動によって日本に入ってきた生物のことをいいます。
 また、同じ日本の中にいる生物でも、他の地域からもともといなかった地域に持ち込まれた場合に、もとからその地域にいる生物(在来種といいます)に影響を与える場合があります。
 このような種についても、外来種といわれています。
※“特定外来生物”参照
河岸侵食(かがんしんしょく)
 洪水の作用により河岸に横方向の侵食が発生することです。
学術参考林(がくじゅつさんこうりん)
 大正4年の山林局長通達「保護林設定二関スル件」を根拠に、国有林の内部規制として「保護林制度」が発足し、その中で指定された保護林の1種のことです。保護林制度によると、「学術参考林は、学術上又は施業上の参考として、保存する目的を以て仕立つる森林にして、その中国有保護林は、国有林中学術の参考となる林分及び保護を要する鳥獣若くは珍奇なる植物、その他天然記念物に関係を有する森林と認め、国に於て特に設定せるもの、国定原始林は、主として史跡名勝天然記念物として国より指定せられ、天然の状態をそのまま維持するため、林木は勿論林下の灌木・草類乃至る樹幹に纏絡せる蔓、その他林中に棲む禽獣の如きをも総て原始の姿を失わしめず、縦令枯損・風倒等の樹木と言えども之を伐採せざるもの又模範林・演習林・樹種見本林は、各その名を示す如く林業上の模範・演習・試験・樹種の見本に供するため、国若しくは道府県市町村その他に於いて設置せるものなり。」と記載されています。
 現在では、平成元年に保護林の区分体系が一新され保護林制度の再編・拡充を図られたことにより、現行の保護林制度における保護林の種類は、(1)森林生態系保護地域、(2)森林生物遺伝資源保存林、(3)林木遺伝資源保存林、(4)植物群落保護林、(5)特定動物生息地保護林、(6)特定地理等保護林、(7)郷土の森の7種類となりました。
花崗岩(かこうがん)
 ケイ酸分を多く(70%前後)含むマグマが、地下深部でゆっくり冷えて固まってできた岩のことをいいます。
河床(かしょう)
 平常時の河川の水に覆われた部分の川底のことをいいます。
※“河道”のイメージ図参照
霞堤(かすみてい)
 急流河川において用いられる歴史的な治水方式で、堤防を不連続な二重の構造として開口部を存置している箇所をいいます。
 洪水時に上流の霞堤開口部から洪水をあふれさせて、下流へ流れる河川内の流量を低減させ水位を下げる機能とともに、上流であふれてはん濫した水を、下流の霞堤開口部から時間差で河川内に戻す機能を持っています。
河川カルテ(かせんかるて)
 河川管理に必要な河道状況や被災履歴等を整理したもので、適切な維持管理に活用しています。
河川環境管理基本計画(かせんかんきょうかんりきほんけいかく)
 河川環境管理基本計画は、河川の治水及び利水機能を確保しつつ、河川環境の管理に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な事項を定めるもので、昭和56年から平成4年にかけて、国が管理する全国109水系で河川環境管理基本計画(河川空間管理計画)の策定が行われました。
河川管理(かせんかんり)
 河川管理とは、次の三つの目的を達成するために行うものです。
1)洪水、高潮等による災害発生を防止するための堤防や護岸の設置、災害を誘発する恐れのある行為の規制、さらに災害を軽減するための洪水時の水防活動等2)上水道、かんがい、発電等のための河川水の利用および流水の正常な機能の維持、河川内の公園等の土地利用等に係る適正な河川利用を確保するための許認可およびその監督3)良好な水質や生態系の保全、良好な景観等の河川が本来有する機能を確保するための調査や監視、維持なお、一級河川の管理は、国土交通大臣が行います(河川法第9 条第1 項)。

「河川法(抜粋)」
(一級河川の管理)
第9条一級河川の管理は、国土交通大臣が行なう。
2 国土交通大臣が指定する区間(以下「指定区間」という。)内の一級河川に係る国土交通大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、当該一級河川の部分の存する都道府県を統轄する都道府県知事が行うこととすることができる。
河川管理施設(かせんかんりしせつ)
 ダム、堰、排水門、堤防、護岸、床止め等の洪水防御等の河川管理を目的として設置された施設をいいます。
河川管理者(かせんかんりしゃ)
 河川は公共に利用されるものであって、その管理は、洪水や高潮等による災害の発生を防止し、公共の安全を保持するよう適正に行われなければなりません。
この管理について権限をもち、その義務を負う者です。
※“一級水系”の一覧表参照
河川区域(かせんくいき)
 一般に堤防の川裏の法尻から、対岸の堤防の川裏の法尻までの間の河川としての役割をもつ土地を河川区域といいます。
 河川区域は洪水等災害の発生を防止するため等に必要な区域であり、河川法が適用される区域です。
※“河道”のイメージ図参照
河川構造物(かせんこうぞうぶつ)
 河川に設けられる河川管理施設と許可工作物の総称をいいます。
※“河川管理施設”、“許可工作物”参照
河川サポーター(かせんさぽーたー)
 河川管理者が沿川住民に募集を行い、応募者から任命された方に協力していただく取り組みです。これは、河川の管理体制の強化等を目的として、日常見ている川の様子や川への思いを情報発信していただくとともに、地域との連携を強化することです。
河川敷(かせんじき)
 平常時は川の水が流れないが、水位が上がった時(洪水時)に流れる場所。
※“高水敷”参照
河川水辺の国勢調査(かせんみずべのこくせいちょうさ)
 国土交通省および自治体により、全国109の一級水系の河川および主要な二級水系の河川や、国管理・水資源機構管理のダムおよび県管理のダムについて、河川における環境面からの基礎情報の収集・整備を目的として実施しています。
 調査の内容は、「魚類調査」「底生動物調査」「植物調査」「鳥類調査」「両生類・爬虫類・哺乳類調査」「陸上昆虫類等調査」の生物調査と、河道にある瀬・淵や水際部の状況等を調査する「河川環境基図作成調査」、河川空間の利用実態を調査する「河川空間利用実態調査」があります。
河道(かどう)
 平常時もしくは洪水時に河川の水が流下する区間のことです。
 通常は堤防または河岸と河床とで囲まれた部分を指します。
 河道のうち、常時水が流れる部分を低水路、洪水時のみ流水が流れる堤防以外の部分を高水敷(河川敷)といいます。
河道
※上図について、国土技術政策総合研究所 水害研究室HPより引用
河畔林(かはんりん)
 河川のほとりや河岸に生育する樹木群をいいます。
環境基準類型指定(かんきょうきじゅんるいけいしてい)
 環境基本法により定めることとなっている、河川等の公共用水域の水質汚濁における環境上の条件として、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準のことであり、該当する水域毎に定められています。
 河川であれば、AA〜Eまでの6段階に区分されており、この区分を類型といいます。河川の汚濁状況を図る指標であるBOD基準値でいえば、AA類型1mg/L以下、A類型2mg/L以下、B類型3mg/L以下、C類型5mg/L以下、D類型8mg/L以下、E類型10mg/L以下となっています。
また、ダム等の湖沼では、AA〜Cまでの4段階に区分されており、河川の基準とは異なった類型の区分となっています。
※“BOD”参照
慣行水利権(かんこうすいりけん)
 明治29年の旧河川法制定以前から取水していた事実によって、社会慣行として成立した水利秩序が権利化した水利権のことをいいます。
※“許可水利権”参照
感潮区間(かんちょうくかん)
 河川の河口付近で水位や流速に海の潮汐が影響を与える区間をいいます。
基準地点(きじゅんちてん)
 洪水を防ぐための計画を作成するとき、代表となる地点です。この地点で基本高水や計画高水流量を定め、その河川の改修計画が作成されます。大きな河川では、複数の基準地点が設定されています。
汽水環境(きすいかんきょう)
川から流れてきた淡水と、塩分を含んだ海水が交じり合った水域環境のことで、主に河口部がこれにあたります。
基本高水のピーク流量(きほんこうすい(たかみず)のぴーくりゅうりょう)
 基本高水とは、洪水を防ぐための計画で基本となる洪水波形(流量が時間的に変化する様子を表したグラフをハイドログラフといいます)です。
 基本高水のピーク流量とは、このグラフに示される最大流量です。
 この基本高水は、人工的な施設で洪水調節が行われていない状態、言い換えるなら流域に降った計画規模の降雨がそのまま河川に流れ出た場合の河川流量を表現しています。
基準地点におけるハイドログラフ
許可工作物(きょかこうさくぶつ)
 橋梁や道路、かんがい用水や水道用水を河川から取水するための施設、下水処理した水を河川に流す施設等、河川管理者以外の者が河川管理以外の目的で河川区域内に設置する工作物です。
 これらは河川管理者の許可を得て河川区域内に設置されていることから、許可工作物と呼んでいます。
許可水利権(きょかすいりけん)
 河川法第23条の許可を受けた水利権のことをいいます。
※“慣行水利権”参照
魚道(ぎょどう)
 魚が上下流に移動できるように、河川を横断して設置されている堰等に設けられた水路のことです。
距離標(きょりひょう)
 河口からの距離を表すもので、堤防等の位置を明確に示すために約200m毎に設置しています。
緊急用資機材(きんきゅうようしきざい)
 水防活動を行う上で必要な土砂の備蓄などのことをいいます。
国管理区間(くにかんりくかん)
 国土交通大臣が自ら管理する区間をいいます。
※“河川管理”参照
クラック(くらっく)
 護岸等にできるひび割れのことです。
計画規模(けいかくきぼ)
 治水整備の目標であり、流域の重要度に応じて設定されるものです。計画規模は、超過確率年(1/100等)で表されます。
計画高水位(けいかくこうすいい)H.W.L(はいうぉーたーれべる)
 堤防の設計、河道の整備等の基準となる水位のことであり、整備完了後の計画規模以下の洪水については、計画高水位以下の部分を流れます。
計画高水位
計画高水流量(けいかくこうすいりゅうりょう)
 堤防の設計、河道の設計をする場合に基本となる流量で、基本高水を河道と各種洪水調節施設に合理的に配分した結果として定められる計画上の河道を流れる最大流量です。
 言い換えれば、基本高水のピーク流量から各種洪水調節施設での洪水調節流量を差し引いたものです。
県管理区間(けんかんりくかん)、指定区間(していくかん)
一級河川において、都道府県知事が事務を行うことができる区間として国土交通大臣が指定する区間をいいます。
 一級河川のうち、国管理区間以外の河川は、通常の管理を都道府県知事に委任しています。
 この区間は、国土交通大臣が指定することによって決まります。
※“河川管理”参照
降湖型(こうこがた)
 一生の間に湖に流れ込む川(淡水)と湖(淡水)の間を回遊するタイプの魚類のことをいいます。
交互砂州(こうごさす)
 直線的な河道や緩やかな連続蛇行河道内に左右交互に規則的に出現した砂州のことです。
洪水(こうずい)
 台風や前線などによってもたらされた大雨により、川を流れる水の量が急激に増大する現象を洪水といいます。一般には川から水があふれ、はん濫することを洪水と呼びますが、河川管理上ははん濫を伴わなくても洪水と呼びます。
高水敷(こうすいじき)
 高水敷は、複断面の形をした河川で、常に水が流れる低水路より一段高い部分の敷地で、一般的に、河川敷とも呼ばれます。
 平常時にはグランドや公園等様々な形で利用されていますが、大きな洪水の時には水に浸かることがあります。
※“河道”のイメージ図参照
洪水調節(こうずいちょうせつ)
 人工的に建設した洪水調節用ダム、調節池、遊水地などに一時的に洪水流量の一部を貯めることによって、下流の河道に流れる流量を減少させる(調節する)ことです。
洪水ハザードマップ(こうずいはざーどまっぷ)
 浸水被害等の発生が予想される危険区域や避難場所等を示した地図のことです。
洪水ハザードマップ
洪水予報河川(こうずいよほうかせん)
 水防法および気象業務法の規定により、国土交通大臣または都道府県知事が気象庁長官と共同して洪水予報を実施する河川として、国土交通大臣または都道府県知事が指定した河川のことです。
※“水位情報周知河川(すいいじょうほうしゅうちかせん)
 国土交通省ならびに都道府県は、洪水予報河川以外の河川のうち、洪水により経済上重大または相当な損害を発生するおそれがある河川を、水位情報周知河川として指定しています。
この水位情報周知河川では、市町村長の避難勧告等の発令判断の目安であり、住民の避難判断の参考になる水位である「避難判断水位」を定めて、この水位に到達した旨の情報を通知・周知しています。
護岸(ごがん)
 川を流れる水の作用(侵食作用等)から河岸や堤防を守るために、表法面(おもてのりめん:流水があたる堤防等の斜面)に設けられる施設で、コンクリートブロック等で覆うような構造のものです。
固定堰(こていぜき)、可動堰(かどうぜき)
 固定堰と可動堰は、堰の構造が異なります。固定堰は、門扉などの可動部がない堰であり、水中に石積みやコンクリートなどの構造物を設けて水をせき止めるだけのものです。門扉が固定されているため、流量を意図的に制御することはできません
 可動堰は、門扉などの可動部をもつ堰であり、門扉を操作することで意図的に流量を制御し洪水時には水を迅速に流下させることができます。
※“堰堤”参照