河川(佐波川)に関する用語集 【さ行】  平成26年5月作成

砂州(さす)
 流水によって運ばれた砂や砂礫が集まり、水面上に現れた所をいいます。わん曲部の内側によく形成されます。直線的な河川でも砂州が交互に形成される場合があり、交互砂州といいます。
※“交互砂州”参照
三郡変成岩(さんぐんへんせいがん)
 変成岩とは、古生代後期の海成層が高圧・低温 型の変成作用をうけて生じてできた岩のことをいいます。三郡変成岩は、北九州から中国地方を経て、近畿地方西部にかけて広く分布しています。三郡とは、福岡県中央部の直方平野と筑紫平野の間に位置する三郡山が由来となっており、粕屋(かすや),筑紫(ちくし),嘉穂(かほ)の3郡の境に位置することから三郡山と名づけられました。
支川(しせん)
 本川に合流する河川のことです。
 また、本川の右岸側に合流する支川を「右支川」、左岸側に合流する支川を「左支川」と呼びます。
 さらに、本川に直接合流する支川を「一次支川」、一次支川に合流する支川を「二次支川」と、次数を増やして区別する場合もあります。
支川
※“右岸左岸”参照
支川管理者(しせんかんりしゃ)
 河川は、重要度に応じて一級水系、二級水系等に別れ、それぞれ河川管理者が異なります。また、一級水系でも国管理区  間や指定区間、準用河川・普通河川に別れ河川管理者が異なります。
※佐波川での表記
 佐波川は一級水系ですが、支川は指定区間や準用河川・普通河川のため、その管理者は都道府県知事又は市町村長となります。
支川処理(しせんしょり)
 洪水によって本川の水位が上昇した場合、本川と支川が合流する地点では、本川の洪水が支川を逆流し水位が上昇します。上昇した水位によって支川の堤防から洪水が溢れないようにするため、本川と支川の合流点の対策を実施することをいいます。
※“本川”“支川”参照
縦横断測量(じゅうおうだんそくりょう)
 河川の縦断方向、横断方向の形状を計測する測量のことです。
重要水防箇所(じゅうようすいぼうかしょ)
 過去の洪水で堤防等が被災した箇所や堤防断面が不足する箇所等、洪水時に堤防が被災する可能性が高く、厳重な警戒が必要な箇所をいいます。
 洪水の時には、堤防が壊されたり、洪水が堤防を越えてあふれ出たりしないように、水防団の方々が土のうを積む等の「水防」活動をします。
 そうした事態をいち早く察知するため、洪水が一定の規模になると水防団の方々は危険な箇所がないかどうか、堤防等を点検しますが、点検する区間が長いため、現在の堤防の高さや幅、過去の漏水等の実績等から、あらかじめ水防上重要な区間を認識しておけば、より効率的な点検ができ、危険な箇所の早期発見につながります。
 このような考えから毎年重要水防箇所を定めるとともに、洪水期前には関係者でその年の重要水防箇所を確認する合同巡視も行っています。
取水制限(しゅすいせいげん)
 異常な少雨などによってダム等の貯水位が減少したとき、河川から取水する量を減らすことです。
侵食(しんしょく)
 流水等の作用で河床や堤防の土砂が削り取られることをいいます。
※“洗掘”参照
浸水想定区域(しんすいそうていくいき)
 浸水想定区域とは、洪水防御に関する計画の基本となる降雨(佐波川では概ね100年に1回程度起こる大雨)により、現在の河川の整備状況において、河川が堤防の決壊等によりはん濫した場合に浸水が想定される区域のことです。 洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保し、水害による被害の軽減を図るため、洪水予報河川および水位情報周知河川において河川管理者が指定・公表します。
 なお、浸水想定区域図とは、浸水想定区域とその区域内の浸水深を示した図面のことをいいます。
※“洪水予報河川”参照
浸透(しんとう)
 河川水および降雨等が堤防や堤防基盤内部にしみ込んでいく現象をいいます。
 また、堤防内部等に浸透した水が川裏や堤内側の地盤から湧き出す現象を漏水といい、漏水量が多くなると川裏側から堤防が崩壊することがあり、堤防の被災の原因の一つとなります。
※“漏水”参照
浸透対策(しんとうたいさく)
 堤防内に浸透した水および表面水を速やかに排除するなどの対策を行うことです。
水域(すいいき)
 河川の空間は、水が流れるあるいはとどまっている水域(水域環境)、日常的に水の影響を受ける水際(水際環境)、日常的には水の影響を受けない陸域(陸域環境)に分けられます。
 水域環境は、魚類、底生生物等の生息・生育・繁殖空間となっています。
水域
水衝部(すいしょうぶ)
 河川の湾曲部等で水の流れが強くあたる箇所で、洗掘が生じやすい箇所のことです。
水衝部
水制(すいせい)
 川を流れる水の作用(侵食作用等)から河岸や堤防を守るために、水の流れる方向を変えたり、水の勢いを弱くしたりすることを目的として設けられる施設です。
 形状としては、水の流れに対して直角に近いものから、平行に近いものまでいろいろあり、また構造としても、水が透過するように作られたものから、水を透過させないように作られたものまであります。
 求められる機能に応じていろいろな形状・構造のものがあります。
水防警報(すいぼうけいほう)
 水防警報は、国土交通大臣または都道府県知事が、水防管理団体の水防活動に対して、待機、準備、出動などの指針を与えることを目的して発令されるもので、各関係機関に通知されます。
 水防警報は、川ごとにあらかじめ決めておいた水位観測所(水防警報対象水位観測所)の水位に対して、水防団待機水位、はん濫注意水位、はん濫危険水位(計画高水位)など水防活動の目安となるような水位を決めておき、川の水かさがその水位あるいはその水位近くまで上昇すると発令されます。
水防作業ヤード(すいぼうさぎょうやーど)
 水防資材の保管や、水防活動時に土のうを作成するための作業場所をいいます。
水門(すいもん)
 堤防を分断してゲートを設置した施設を水門と呼びます。
 水門は堰と異なりゲートを閉めた時に堤防の役割を果たします。
生活系及び農業系流入負荷(せいかつけいおよびのうぎょうけいりゅうにゅうふか)
 川に流入する有機物や栄養源のうち、家庭等の生活環境から流入するものを生活系流入負荷といい、水田や畑から流入するものを農業系流入負荷といいます。
 水田では、4月下旬から5月初旬にかけて代かき・田植え等があり、季節によって農地からの負荷量は大きく変動します。
 また、家庭や工場、事業所排水等は、排水地点や量を把握することができるため点源負荷といい、田畑や市街地の舗装道路からの排水等は、汚濁の排出点を特定できないため、面源負荷といいます。
正常流量(せいじょうりゅうりょう)
 流水の正常な機能を維持するために必要な流量であり、適正な河川管理のために定めるものです。正常流量は、渇水のみならず、1年365日を通じて河川における流水の正常な機能の維持を図るものであり、流量の変動も重要な要素となっています。
生態系ネットワーク(せいたいけいねっとわーく)
 野生の生きものが必要とする繁殖の場や餌場、休息の場などの様々な場と、渡りや繁殖、巣立ち、給餌、休息など様々な目的の移動経路の繋がりのことです。
 生きものが必要とする場と生きものの移動経路から構成される生態系ネットワークが失われた場合には、繁殖がうまくいかなくなる等、生きものの存在にも支障を来す場合があります。
関水(せきみず)
 東大寺再建のための材木を搬出するため、流路を堰止め水位をかせぎ、堰側水路より流下させたものを関水と呼びます。関水は、河口から現佐波川ダム付近までの間に118個も作らせて、水深を確保し水運を行っていました。
関水
瀬戸内海型気候(せとないかいがたきこう)
 瀬戸内海を中心とした地域に見られる気候で瀬戸内気候ともいいます。降水量が少なく,晴天日数や日射量の多いことが特徴です。瀬戸内海は中国・四国の両山地に囲まれていて,冬の北西の季節風も夏の南東の季節風も山を越えて吹き込むため、降水量が比較的少なく,年間1,000〜1,300mmの地域がほとんどです。また,冬も温暖な気候となっています。
洗掘(せんくつ)
 激しい川の流れや波浪などにより、堤防の表法面(川表)の土が削り取られることです。削られた箇所がどんどん広がると破堤を引き起こすことがあります。
扇状地(せんじょうち)
 河川が山地から低地に移り、流れが緩やかな場所に堆積物が積もってできる扇形の地形のことをいいます。
占用(せんよう)
 河川の一部を法律に基づいて排他独占的に使用することをいいます。
想定はん濫区域(そうていはんらんくいき)
 河川がはん濫した場合に浸水が想定される区域(計画高水位よりも地盤高が低い区域)です。
※“計画高水位”参照
ソフト対策(そふとたいさく)
 治水工事による対策でなく、適切な避難対策のためのハザードマップ作成や、早めの避難対策のため、現在の雨量、主な河川の水位等の情報提供などをソフト対策といいます。
※ハード対策(はーどたいさく) 洪水による被害を軽減するための工事を治水工事といいます。このような工事による対策をハード対策といいます。
そま山(そまやま)
 そま(杣)山とは、古代から中世にかけて律令国家や貴族・寺社などのいわゆる権門勢家が、造都や建立など大規模は建設用材を必要とする事業に際して、その用材の伐採地として設置した山林のことです。