ダムの概要

八田原ダムは、広島県東部を流れる一級河川芦田川の洪水調節、既得取水の安定化等並びに都市用水の確保を目的として建設された多目的ダムです。

芦田川は、その源を広島県三原市大和町に発する流路延長約86㎞、流域面積約860㎞2に及ぶ広島県第3位の河川です。

芦田川流域は、昭和以降、過去5回の洪水により大被害を被り、中でも昭和20年9月の枕崎台風では家屋浸水・流失・半壊約2,920戸の甚大な被害を受けました。一方、流域における年降水量は他の瀬戸内海流入河川と比較すると特に少なく、沿岸部で約1,200㎜、山間部で約1,600㎜程度で寡雨地帯の瀬戸内海で最も少ないところです。

 

この様な環境の中での河川の利用については、農業用水として約6,900haの耕地かんがいに利用され、上水や工水等の都市用水として約510,000m3/日(5.9m3/s)、水力発電として最大出力12,300kW(一般家庭約3万世帯分の電力)等の利用がなされていますが、その流況の不安定さよりたびたび渇水にみまわれ、特に、平成6年には福山市において12時間の断水が45日間にも及びました。備後地方の水需要は、昭和39年に備後工業整備特別地域に指定されて以来、用水型工業立地と人口の都市への集中化に伴う生活様式の変化により、今後とも増加するものと考えられます。八田原ダムは、こうした治水・利水両面を担う芦田川総合開発の一環として建設されたものです。

ダムの緒元

型式 重力式コンクリートダム 有効貯水容量 57,000,000m3
堤頂の標高 EL 254.90m 洪水調節容量 34,000,000m3
高さ 84.9m 利水容量 23,000,000m3
堤長 325m 堆砂容量 3,000,000m3
貯水池流域面積 241.6km2 洪水時最高水位 EL 252.90m
湛水面積 2.61km2 通常時最高貯水位 EL 235.00m
竣工年月 平成10年3月 最低水位 EL 204.50m

貯水池容量分配図

ダム平面図

ダム上下流面図

ダム標準断面図


ダムの目的

芦田川はその源を広島県三原市大和町字蔵宗に発し、世羅盆地を貫流して御調川等の支川と合流し府中市に至り、神谷川、有地川、服部川、高屋川、瀬戸川等の各支川と合流しながら備後平野を流下して、福山市で瀬戸内海に注いでいます。

流域は広島・岡山両県にまたがっており、流域面積は約860km2に及び備後地域における社会、経済、文化の基盤となっています。また地質は総体的に花崗岩で覆われており、下流域の平野は花崗岩山地からの流出を受けた沖積平野となっています。

 

芦田川は大正8年、昭和20年、35年、37年、40年、47年の洪水により大水害を被りました。中でも昭和20年9月の枕崎台風では、家屋浸水、流失、半壊約2,920戸、堤防決壊7,320m、護岸崩壊5,750m、橋梁流失24ヶ所等の大被害を受けました。

一方流域内の年平均降雨量は、上流域で約1,600mm、下流域で約1,200mmと寡雨地帯の瀬戸内の中でも最も少ない所であり、平均渇水量は2.90m3/s(府中)程度となっています。この様な環境の中での河川の利用については、農業用水として約6,900haの耕地かんがいに利用され、上水や工水等の都市用水として約51万m3/日(5.9m3/s)、水力発電として最大出力12,300kW等の利用がなされていますが、その流況の不安定さよりしばしば渇水被害が生じています。また昭和39年に備後工業整備特別地域に指定されて以来、用水型工業立地と人口の都市集中化が進んでおり、生活様式の改善とも相まって水需要は今後とも増加するものと考えられます。

 

八田原ダムは、こうした治水・利水両面をになう芦田川総合開発の一環として建設されたものです。

治水のはたらき

八田原ダムは、ダム地点の計画洪水流量1,250m3/sのうち750m3/sの洪水調節を行い、下流の洪水被害軽減を図ります。

八田原ダムは平成10年4月の管理開始以降、平成27年度現在、18回の洪水調節(流入量150m3/s以上)を行っています。

 

平成10年10月の台風10号では、芦田川全体に短期間に集中した雨をもたらし、昭和20年の枕崎台風に次ぐダムへの流入量650m3/sを記録しました。ダムへの最大流入量650m3/sのうち340m3/s分をダムでカットし、下流域の被害の軽減に寄与しました。

八田原ダムの治水のしくみ

台風や梅雨時期などの大雨が降った時、洪水調節容量を使って一時的にダムに入ってくる水の一部を貯め、ダム下流の堤防が壊れたり水が川からあふれたりするのを防いでいます。

利水のはたらき

八田原ダム流域は寡雨地帯の瀬戸内海地方でも最も雨量の少ない所で、昔からたびたび渇水に見舞われてきました。平成14年は梅雨が明けてから4ヶ月以上もの間雨らしい雨がなく、ダムの貯水量も1/3以下となり八田原ダム完成以来で最大規模の渇水となりました。

このため11月中旬より農業用水と工業用水の取水制限が実施され、このまま雨が降らなければ水道用水の取水制限も実施しなければならないとう状況でしたが、幸いにも回避することができました。八田原ダムでは、下流の人々が生活に困らないように、また企業の生産活動に支障がでないように、ダムに貯めた水を供給しています。

八田原ダムの利水のしくみ

雨が降らない日が続き川の水が少なくなると、利水容量に貯めているダムの水を流して川に流れる水の量を増やし、府中市・福山市に住む人の生活のための水や工場のための水を補っています。

河川環境の保全

下流の既得用水に対する補給を行う等、河川環境の正常な機能の維持と増進を図るため必要な流量を下流に流しています。

都市用水の開発

都市用水として、170,000m3/日(1.97m3/s)を供給しています。

福山市 上水 114,000m3/日
工水 50,000m3/日
府中市 上水 6,000m3/日