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用 語 集 |
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この用語集では、本書で使用される主要な用語を解説しました。
項目名に付した参照箇所──(植物)等──は、特にその分野に関わりの深い用語であることを示します。 |
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−あ− |
■亜種 (あしゅ) (共通) |
種内において主として地理的隔離の結果、形態的に異なる集団を亜種という。地理的隔離が解除された場合は互いに交配ができる(長期にわたる隔離は種分化を起こし、もはや交配ができなくなる)。 |
例えば、魚ではヤマメとアマゴ、ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴ、鳥ではハクセキレイとホオジロハクセキレイ、タイワンハクセキレイ、シベリアハクセキレイなどが亜種の関係にある。 |
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■亜終齢幼虫 (あしゅうれいようちゅう) (昆虫) |
終齢幼虫の1つ前の段階をいう。 |
→終齢幼虫 |
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■足指 (あしゆび) (鳥類) |
鳥の足指は通常4本で、内側より順に第1趾、第2趾、第3趾を中趾、第4趾を外趾とよぶこともある。 |
鳥の足指には、生活形態によりいろいろに変形したタイプが見られる。 |
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■雨覆 (あまおおい) (鳥類) |
翼の部分の名称。飛行に重要な羽毛である風切羽の基部を上下から覆っている小さな羽毛のこと。翼上面には次列風切の肩に近い方から小雨覆、中雨覆、大雨覆が、また、初列風切の小翼羽の下には初列雨覆があり、翼下面には下雨覆がある。 |
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■アンモシーテス幼生(アンモシーテスようせい) (魚類) |
ヤツメウナギは孵化後数年間成魚とは異なった形態を示す。これをアンモシーテス幼生といって、口に吸盤が発達せず、眼は皮下に隠れる。 |
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−い− |
■威嚇姿勢 (いかくしせい) (昆虫、魚類、鳥類、その他) |
カマキリやオオカマキリは、敵が近づくと脚を上げて相手を威嚇する。もっと怒ると、大顎を開いて翅を立て、腹部を曲げて振動させ、できるだけ体を大きく見せようとする。このような姿勢を威嚇姿勢といい、昆虫以外の動物でも観察される。 |
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■育雛 (いくすう) (鳥類) |
親鳥が雛の世話をして育てること。孵化から巣立ちまで給餌、糞の始末など、休む暇もなく世話に追われる。 |
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■移入・移入種 (いにゅう・いにゅうしゅ) (共通) |
ある地域に、他の地域から個体または個体群を人為的に移すことを移入といい、その種を移入種という。例えば、アメリカザリガニは米国から日本への移入種である。外来種と混用される。 |
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−う− |
■羽化 (うか) (昆虫) |
完全変態の昆虫では蛹(さなぎ)から、不完全変態の昆虫では若虫(終齢幼虫)から、それぞれ最終的な脱皮をして成虫になること。 |
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■右岸 (うがん) (河川) |
河川の上流から下流に向かって見て右側にあたる岸をいう。 |
→左岸 |
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■浮き巣 (うきす) (鳥類) |
カイツブリがヨシ原、水草の茂み、杭の上などに、草の茎や葉を積み重ねて作った、水面に浮いて見える巣をいう。ニオ(カイツブリの古名)の浮き巣という。 |
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■うけ(魚類) |
→もんどり |
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■羽状複葉 (うじょうふくよう) (植物) |
植物の葉のつき方の1つ。葉柄に連続して葉軸があり、これに数枚の小葉に分かれた葉身が並ぶもので、葉軸の先端が小葉で終わるものを奇数葉状複葉、葉軸で終わるものを偶数羽状複葉という。 |
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−え− |
■営巣 (えいそう) (鳥類) |
繁殖期に鳥が巣を作ること。 |
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■越冬隊 (えっとうたい) (昆虫) |
昆虫が冬を過ごしている状態で、例えばチョウ目では種や属などによって冬の過ごし方に一定の傾向が見られ、卵越冬・幼虫越冬・蛹越冬・成虫越冬のように安定した休眠ステージをもっているものと、ツマベニチョウなどの南方系の種のように、非休眠の幼虫・蛹などで成長しながら冬を過ごしているものがある。 |
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−お− |
■追星 (おいぼし) (魚類) |
魚の産卵期に体や鰭(ひれ)の表皮が厚くなってできるイボ状の突起物で、魚類によって形状と出る場所がほぼ決まっている。コイ科魚類の多くは雄の前頭部、鱗、胸鰭、腹鰭に出現する。 |
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■雄花 (おばな) (植物) |
種子植物の単性化で、雄しべはあるが、雌しべは退化したか、またはない花をいう。エノキ、ムクノキ、ヤナギなどで見られる。 |
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